2014年度 ミス・デントン永眠記念墓前礼拝 ご報告
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日時:2014年度12月19日(金)11時~11時半
場所:相国寺 長得院
ひかり穏やかな相国寺長得院でデントン先生の墓前礼拝を無事に終えましたことをみなさまご報告申し上げます。
大谷総長、水谷理事長、加賀女子大学学長、堂腰幼稚園長をはじめ同志社関係者69名の方々にご参列を賜りました。
奨励者才藤先生のお導きでデントン先生と女子部のこころ温まるお話を伺うことができました。礼拝式次第と奨励の要約文も併せてご覧ください。
恵みのひとときを持てましたことに感謝いたします。
行事委員 加賀由起子
† デントン先生永眠記念礼拝 式次第 †
司 会 加賀 由起子
奨 励 才藤 千津子
奏 楽 三 崎 邦 子
黙 祷 一 同
讃 美 歌 404番「山路越えて」 一 同
聖書朗読 フィリピの信徒への手紙3章10~14節 坂本 清音
祈 祷 坂本 清音
奨励者紹介 司 会 者
奨 励 「前のものに全身を向けつつ」 奨 励 者
主の祈り 一 同
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デントン先生永眠記念礼拝 奨励
「前のものに全身を向けつつ」
2014年12月19日(金)
才藤 千津子
救い主の訪れを待つアドベントのひと日、同志社女子部を愛し続けて生涯を終えられたデントン先生の永眠記念礼拝にお呼びいただいたことを、心から感謝いたします。
わたしを支えてくれるデントン先生の教師としてのエピソードをご紹介しましょう。
学生寮に住む女生徒のひとりが急病になったそうです。病院での検査の結果、生徒は実家に帰らなければならないことになり、デントン先生が彼女を家につれて帰ることになった。ところが、日頃から先生の厳しさを恐れていたその女生徒は、「私は、デントン先生が嫌いです。もし、先生と一緒に家に帰らなければならないのなら、家には帰りません。」と頼んだそうです。そのときのデントン先生の返事はこうでした。
「いいえ、私は連れて行きます。イエスは彼を嫌う者を嫌いましたか?私はクリスチャンです。だから、イエス・キリストの足跡に従います。」
デントン先生は、「人間的な思いではなく、イエス・キリストの目から見てどうであるかが一番大事」だと思っておられたのでしょう。そして、まさにそのとおり行動された。神がこの病気の女生徒を愛しておられることを信じ、ご自分はその神の意思に従い、今ここですべきだと思われたことを率先して実行されたのです。そして、私には、デントン先生のこの行為はまさに、人間としての小さな「自我」を捨てて、もっと大きな「本当に大切なもの」に従った勇気ある愛の行為だと思われるのです。
今日お読みいただいた聖書の箇所は、使徒パウロのことばです。
「わたしは、ただひとつのなすべきことを願っているのです。うしろのものを忘れ、前のものに向かって、からだをのばし、キリスト・イエスにあって、ただゴールめがけて走ることにほかなりません。」(フィリピ3:10-14より)
信仰に生きる人は、いつもレースの最中です。走っている選手は、少しでも先へ、先へと、我を忘れて、全力で前進し続けるのです。そんな厳しいレースを、デントン先生は、異国の地で最後まで走り抜かれました。彼女のどこにそんな活力があったのか。それは、彼女が、最終的には、自分の力で走っているのでも、自分のために走っているのでもないと考えておられたところにあったのではないでしょうか。
先生の人生の秘密は、自分自身のためではなく、自分の力をはるかに超えた神の愛に自分の身をゆだね、「キリストにとらえられて」歩んだことにあるのではないかと思います。そして、私たちは、そのような生き方の放つデントン先生の人格の輝きに魅せられて、いつまでも先生のお働きを思い起こすのではないでしょうか。同志社の歩みを、同志社女子部の歩みを、いつまでも天から見守ってくださいますようにと祈らずにはいられません。
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2014年度 ミス・デントン永眠記念墓前礼拝 ご案内
- 日時 : 2014年12月19日(金) 11:00~11:30
- 場所 : 相国寺 長得院 (地下鉄今出川下車)
- 奨励 : 才藤千津子先生「前のものに全身を向けつつ」
1888年の来日以来、太平洋戦争中も含め59年間にわたって同志社女子部のために尽くされたデントン先生の永眠記念日(12月24日)を憶え、毎年、墓前礼拝を行っています。どなたでもご参加ください。
奨励者プロフィール
才藤 千津子 先生(同志社女子大学現代社会学部准教授)
早稲田大学法学部、同志社大学神学部・神学部大学院、ボストン近郊アンドヴァー・ニュートン神学校、バークレーの神学大学院連合(GTU)等で学ぶ。専門は牧会神学、特にグリーフケア。Ph.D. (Religion & Psychology)。日本基督教団正教師。現在は、同志社女子大学現代社会学部准教授として、宗教学概論、死生学などを担当。いのちの電話研修委員としてボランティア電話相談員の訓練に、また小児がんの子どもたちとそのご家族のサポートにも携わっている。